星状神経節ブロックというものはご存じでしょうか?
痛みの治療法として主に、ペインクリニックでは、星状神経節ブロック療法が用いられてきました。その星状神経節ブロック療法は、痛み以外に様々な病気の治療の適応症にも有効との学会報告がなされてきました。
頚部にある交感神経節に局所麻酔薬を注入し、交感神経を一時的にブロックすることで、身体の痛みを改善し、自然治癒力を高め、自律神経・ホルモン分泌・免疫力のバランスを整え、さまざまな病気や症状に効果的だといわれています。
星状神経節ブロック注射をやりたがらないという話
注射を使ってのブロック療法はペインクリニックでよくおこなわれていますが、ある程度の痛みをともないます。注射の後は、しばらく安静にしてベッドに横になる必要があります。
以前、麻酔科専門の医師に安全性や今ひとつ広まらない理由を尋ねると、「リスクのあるわりにお金にならない」「患者が怖がる」とのこと。また、手間暇かかる割に保険点数が少ないためやりたくないと話されていました。
星状神経節ブロックはパワフルな効果がある
私が学生時代、鍼を使用して星状神経ブロック鍼を行う授業がありました。ポイントを間違うと気胸になるリスクがあるため、安全な位置、触診を徹底して学びました。
鍼灸分野での星状神経ブロック療法を自律神経が関係している症状には爆発的に効果があるのですが、痛みがともなう為、嫌がる方は多いと思います。そのようなことも影響し、星状神経節ブロック鍼を行う鍼灸師が少ないというのが現状です。
アレルギー、自己免疫疾患にも効果がある
昭和54年頃から鍼灸師で、星状神経節ブロックを研究をされていた先生の勉強会に参加しました。
その時はアレルギー性鼻炎へのアプローチでしたが、データーや症例、論文を見ると本当に効果があると感じました。花粉症も効果があると思うのですがアレルギー性鼻炎は年中に対して、花粉症は発症の時期が限られているため星状神経ブロック刺鍼で効果があったのか、季節が過ぎて治る時期だから治ったのかを比較することができず、アレルギー性鼻炎の論文がメインになるそうです。
星状節ブロック鍼はアレルギー性鼻炎だけではなく、自律神経に関係した疾患なら効果があると話していました。私自身も体験しましたが、鍼の後、頭がスッキリした感覚がありました。
星状神経節鍼を取り入れようかと考えている時に、不妊鍼灸ネットワーク(ジスラム)で不妊鍼灸の治療でレーザーで星状節ブロックを行っていることを知り、会に入会しました。
入会後、当院でもスーパーライザーというレーザー機を導入しました。
どのくらい継続すればいいのか?
月に1回程度行ったとしても効果はでません。効果も3日目から低下して1週間経てば完全に効果はなくなります。慢性期の症状や難病系であれば、最低でも週に1回、30回ほど行う必要があります。
改善すれば、治療の間隔をあけていくことができます。
顔面神経麻痺、突発性難聴などの急性期の症状なら5回ほどで効果がでてよくなることがありますが、4ヶ月以上症状が続いているのであれば、自律神経の調節、体の体質、血流を改善させる必要があるため、1回、2回では効果はでません。
なお、スーパーライザー(レーザー)のみの治療は行っておりません。鍼治療との併用になります。
詳しくはお問い合わせください。
おもな適応症状
<整形外科・麻酔科・リハビリテーション科>
※頸肩腕症候群、※肩関節周囲炎、※肩手症候群、※外傷性頸部症候群、※慢性関節リウマチ、※帯状疱疹後神経痛、※反射性交換神経萎縮症、※テニス肘、※顎関節症、※肩こり、※筋緊張性頭痛
<皮膚科>
※アトピー性皮膚炎、※帯状疱疹、※円形性脱毛症、多汗症、※褥瘡
<耳鼻咽喉科>
花粉症、アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎
<眼科>
緑内障、眼精疲労
<他>
更年期障害、自律神経失調症、不定愁訴、レイノー症候群、冷え性、小児喘息、脳梗塞、線維筋痛症
※印は、星状神経節プラス、局所や圧痛部にもアプローチ。