ガンの緩和ケア

東洋医学・鍼灸治療でのガン治療の実際

私は鍼灸業界歴28年になります。(2023年現在)鍼灸整骨院や病院で勤務してきました。10年間勤務した病院時代は、医師の東洋医学への理解もあり末期ガンの方へ鍼灸を行う機会が多くありました。ここでは私の臨床経験で見てきたこと体験したことから、鍼灸で、できること、できないことを書いていきます。

鍼灸治療を受けると、免疫力が上がりガン細胞をやっつけるという事をいう方もいますが、それは、癌をやっけるほど強力なものではありません。

癌の治療に関しては現代医学の方法が優れています。医学の発達により、癌の種類によりますが、初期のものであれば抗癌剤治療で100%近い治癒が望めるものも少なくありません。

現代医学の治療に抵抗のある人も多いでしょう。しかし初期のガンであってもほっておけばほとんど進行して大変なことになります。

東洋医学・鍼灸治療よりも優れた方法があれば、鍼灸治療にこだわらず適切な方法を選んでいくべきです。

意外に知らない民間療法のマイナス面

いちばん残念に思うことが、初期のガンで外科手術により100%近く治るような癌の患者さんが手術を嫌い、東洋医学や民間療法、スピリチュアル系の治療などに救いを求め、その結果、癌が進行して取り返しのつかない状態なってしまう方が時々おられることです。

当院にも、その様な方から相談の電話がありますが、そうなっては、どうすることもできないのが現状です。

治る確率の高い治療があれば、西洋医学でも迷わずそれを選ぶべきです。ガンの治療受けている患者さんは食欲不振、吐き気、倦怠感、首や肩こり、背中や腰の痛みやこりなどに鍼灸治療は効果はあります。

末期の癌が針治療で治りますか?

残念ですが鍼灸治療だけでは末期癌を治すことできません。しかし極めて稀ですが、余命数カ月といわれたガン患者の方が鍼灸治療や漢方薬を受けることで何年も生きることができた、という報告もあります。

余命3カ月の方が社会復帰した方もいました

実際、私は病院勤務時代に末期癌の方たちへの鍼灸治療を担当することがありました。余命3カ月の末期癌の方が腫瘍マーカーも下がり、仕事に復帰した方もいました。末期癌で現代医学的に手の施しようのない状態であれば、鍼灸治療をしても良いと思います。

病院の緩和ケアと鍼灸で旅行にもいけるほどに

奇跡的なことはあまり望めませんが、もうこれ以上何もすることのできない場合は、何らかの治療をやることで安心し気持ちを落ち着かせることができます。

ガンの状態が悪くなっていっているのに、ほとんど措置がなされないというのは患者さんにとって不安なことです。

そうかと言って、これ以上効果が望めないのにも関わらず、あまり治療的意味のない抗癌剤を使うと副作用が出てしまい、衰弱してしまいかねません。そんな時、鍼灸治療ほとんど副作用がでないのでうまく利用することができます。

当院では、病院の緩和ケアでも対応が難しい方も来院され日常生活を送られ、旅行や外食にも出かかられている方がおられます。

鍼灸治療で痛みを取る効果

癌の末期にはいろいろと辛いことがあります長く寝ていると体のあちこちが痛くなったり起こったりだるくなったりします。

また、癌が直接痛みを引き起こすこともありますし、食欲がなくなったり便秘をしたり、足がむくんだり、いろいろなことがおきます。

鍼灸治療はそのような苦痛に対しその時々に対応することができます。

完全に取り除く事は困難ですが、症状によってはかなり軽減することは可能です。また鎮痛剤や麻薬などが効かない時に鍼灸治療併用することで薬のきが良くなって痛みのコントロールがうまくいくこともあります。胃腸が弱くて十分な鎮痛薬を飲めないときは、鍼灸で胃腸の治療をすることで薬が飲めるようになり、癌の痛みがコントロールが可能になることもあります。末期癌の患者さんにとって鍼灸治療が体と心の両方に役立てる事は沢山あるように感じています。