抗がん剤の副作用、末梢神経障害とは
抗がん剤の副作用の1つである手足のしびれは、手足の末梢神経の障害で起こります。抗がん剤の種類によって症状の現れ方や頻度が異なり、副作用の程度や出現時期にも個人差があります。
治療終了後、症状が改善してくるまでに時間がかかり、なかには3年、5年単位で症状がよくなるまでかかる人もいます。症状が強く現れ日常生活にも支障が出れば、抗がん剤を減らさないといけません。しかし、これはガンの活動を活発にすることにもなるため、非常にリスクが高いことになります。
抗がん剤の副作用にによる主な症状
・手足のしびれ
・つまずきやすい、足を踏ん張れない
・エスカレーターにのれない
・石の砂利の上を歩いている状態が続く
・小銭などがつかめにくい
・洗い物の水が冷たく感じる
・手に力が入らず、物を落としてしまう
乳がんで使用されるタキソール、パクリタキセルによる副作用
当院では乳がんで使用されるタキソール、パクリタキセルによる副作用による手足のしびれにお悩みに方に対して、鍼治療を多数行っております。
抗がん剤を使用する前に、鍼治療を行うことで手足のしびれを予防することも期待できます。
臨床研究からも鍼治療はしびれに効果がある
鍼治療には、伝統的なやり方があります。使用する鍼は2~3本だけで、しびれの原因となっている末梢神経に鍼治療を行わないとやり方もありますが、私は、伝統的な鍼治療だけでは、抗がん剤の副作用によるしびれには効果がないと考えております。東洋医学・鍼灸治療も近年、研究が進み、より効果的なやり方が発表されております。
当院では 根拠に基づいた鍼治療を積極的に取り入れております。抗がん剤による手足のしびれには、大阪大学医学部附属病院で臨床研究を行った、配穴に基づいた鍼治療方法を行っております。
鍼治療のやり方と治療回数
抗がん剤による副作用の鍼治療は、末梢神経に対して鍼通電法という特殊な鍼治療を行います。痛みを感じることはありませんが、鍼治療に対して不安がある方には、軽めの刺激から行いますので、不安がある方は、遠慮なくおっしゃってください。
1週間に1回の鍼治療を7回の行うことが最も効果が高いとの臨床研究結果からいわれています。
がんの種類や投薬状況によって治療ができない場合もありますので、お気軽にご相談ください。