うつ病と鍼灸治療 〜こころと身体に寄り添うケア〜
「なんとなく気分が沈む」「朝起きるのがつらい」「何をしても楽しめない」
そんな状態が続いていませんか?
それはもしかすると、うつ病かもしれません。
当院では、東洋医学と現代医学の視点から、鍼灸によるうつ病のケアを行っています。薬だけに頼らず、「自分らしさ」を取り戻すためのサポートを大切にしています。

なぜ、うつ病に鍼灸が効果的なの?
うつ病といえば、脳内の神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンなど)のバランスの乱れが関係していると言われています。実は、鍼灸刺激はこれらの神経物質の調整に働きかけることが分かってきました。
鍼灸が脳に働きかけるメカニズム
- 前頭前野の活性化
感情や意欲をつかさどる「前頭前野」の血流を改善し、うつ状態を緩和します2024専門臨床研修(精神疾患)。 - セロトニン神経系の調整
鍼の刺激により、脳内のセロトニンが活性化。これが気分の安定や睡眠の質の改善につながります2024専門臨床研修(精神疾患)。 - 自律神経を整える
ストレスで乱れやすい交感神経と副交感神経のバランスを整え、心と身体のリラックスを促します2024専門臨床研修(精神疾患)。
東洋医学的には「気の流れ」を調える
東洋医学では、うつ病を「気滞(きたい)」「肝鬱(かんうつ)」といった気の巡りの不調として捉えます。
鍼灸では、気・血の流れを整え、体内からこころの不調を和らげていきます。

鍼灸は薬に頼らない“やさしい治療法”
「薬の副作用がつらい」「眠気がとれない」
そう感じている方にも、鍼灸は自然な治癒力を引き出す優しい選択肢です。
副作用の心配も少なく、妊娠中や高齢者の方にも安心して受けていただけます。
実際にどんな治療をするの?
患者様一人ひとりの症状や体質に合わせて、以下のようなツボを使った施術を行います:
- 百会(ひゃくえ)…心を落ち着かせるツボ
- 太衝(たいしょう)…気の流れを調えるツボ
- 神門(しんもん)…不安や緊張をやわらげるツボ
- 三陰交、足三里、合谷などもよく使われます
加えて、当院では頭部への鍼治療(パルス通電療法)も導入しています。
最近、西洋医学の分野では反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)という磁気パルスを用いて頭皮上から脳表を刺激する装置を使っての治療がでてきました。
鍼灸の分野もこの考えに基づいて前頭前野への鍼通電療法の研究がすすみ、効果が確認されだしました。
頭部への鍼治療(パルス通電)とは?
頭皮にあるツボ(百会・前頭部・側頭部など)に細い鍼を打ち、そこにごく微弱な電流(パルス)を流します。痛みはほとんどなく、やさしい刺激で心地よさを感じる方も多いです。
パルス通電による効果:
- 前頭前野の血流改善により、やる気や集中力の回復をサポート
- セロトニンの分泌を促進し、気分の安定や睡眠の質向上に
- 不安・緊張・頭のモヤモヤなどを和らげる効果も報告されています
- 抗うつ薬との併用も可能で、副作用の心配が少ない2024専門臨床研修(精神疾患)

WHO(世界保健機関)も認めた効果
実はWHO(世界保健機関)も鍼灸がうつ病に有効であることを認めています。
日本国内でも多数の臨床研究により、効果が実証されています。
最後に 〜あなたらしい日常を取り戻すために〜
うつ病は「こころの風邪」とも言われますが、時に長引いたり深刻になったりすることもあります。
ですが、希望は必ずあります。
もし、「今の自分を変えたい」「前のように笑いたい」と思ったら、
まずはお気軽にご相談ください。私たちがあなたのペースで、しっかりと寄り添います。