【耳鳴りは「脳」が生み出す音?】
「キーンという音が止まらない」
「静かな時ほど耳鳴りが気になる」
このような声を多くの患者さんから聞きます。
耳鳴り(Tinnitus)は、外部に音源がないのに音を感じてしまう現象です。
かつては「耳の奥の異常」と考えられていましたが、近年の研究では、脳が音を作り出しているという新しい理解が広まっています。

【耳からではなく、脳から始まる?】
耳鳴りは、聴覚の入力が減少した際に脳がその“空白”を補うために音を生み出してしまう現象だと考えられています。
たとえば、
- 加齢による聴力低下
- 突発性難聴などの内耳障害
- ストレスや睡眠不足による神経系の不調
これらが引き金となり、脳の聴覚野が過敏になり、自ら音を作り出してしまうのです。
これは「視覚を失った人が幻視を見る」現象に似ており、脳の神経活動の異常興奮によるものといえます。
【耳鳴りは“治らない”ではなく“整える”時代へ】
耳鳴りは「もう治らない」と思われがちですが、
現在では脳と神経の“調整”によって改善できる可能性が示されています。
とくに、次のようなアプローチが注目されています:
✅ サウンドセラピー
環境音や微細な音を日常的に聴かせることで、
脳の過敏な感覚を“再教育”し、耳鳴りを目立たなくする療法です。
✅ 心理的サポート
「耳鳴り=不安なもの」「このまま悪化するのでは」という思い込みが、症状を悪化させることもあります。
正しい理解と安心が、脳の緊張を緩めます。
【鍼灸は耳鳴りにどう関わるのか?】
鍼灸は古くから「耳の不調」に対して使われてきました。
現代の研究では、以下のようなメカニズムが注目されています。

✔ 自律神経の調整
耳鳴りはストレスや自律神経の乱れと深く関わっています。
鍼灸には、交感神経と副交感神経のバランスを整える作用があり、耳鳴りの背景にある過緊張状態を緩和します。
✔ 脳の過敏な状態を鎮静
側頭部・首・肩の緊張や血流の悪さが、耳の循環や神経活動に影響しているケースがあります。
局所と全身を統合的に整える鍼灸施術が、症状の軽減に役立つとされています。
✔ 「耳鳴りに慣れる」プロセスのサポート
鍼灸は、身体と心の「気の巡り」を改善し、耳鳴りに対する過敏反応をやわらげることで、「慣れ」の促進にもつながります。
【まとめ|耳鳴りと脳、そして鍼灸の可能性】
✔ 耳鳴りは「耳の問題」だけでなく、「脳の過敏な反応」である可能性がある
✔ 聴覚の空白を脳が埋めることで“幻の音”が生じる
✔ サウンドセラピーや心理的アプローチが有効
✔ 鍼灸は自律神経や脳の過敏性を整え、耳鳴りの緩和に役立つ可能性がある
📝耳鳴りでお悩みの方へ
当院では、耳鳴りに対して現代医学と東洋医学を融合したアプローチを行っております。
「音が消えない」つらさ、ひとりで抱えずにご相談ください。
あなたの神経の緊張を和らげ、脳と身体を整えるケアをご提案します。
電話でのお問い合わせ
06-6170-9671
