当院では、身体だけでなく「心」にも寄り添う鍼灸治療を行っています。
実は、私がこのようなスタイルをとるようになったのは、病院勤務時代に経験したある出来事がきっかけでした。
鍼灸師として、心のケアの必要性を痛感した日々
病院勤務時代、私は多くのパニック障害やうつ病の患者さん、そして末期がんの方々を担当してきました。
その中で感じたのは、「身体の症状の裏には、心の問題が隠れている」という事実です。
例えば、体調不良の背景には「家族との関係」「職場でのストレス」「過去のトラウマ」などがあるケースも多く、身体だけに鍼をしていては、本当の意味での改善にたどり着けないことがありました。
心理学を学ぶことを決意──鍼灸師だからできることを増やすために
独立して1年が経った頃、私は日本メンタルヘルス協会にて心理学の勉強をスタート。
基礎コースを修了し、その後は研究コースへ進みました。心理カウンセリングの知識と技術を身につけ、現在の施術にも生かしています。
心理学の講座でよく耳にしたのは、こんな言葉です。
- 「夫に話しても理解されない」
- 「心理学なんて怪しまれる」
実際、「心理学=宗教」「洗脳されそう」「怪しい」といった先入観を持っている方は少なくありません。
特に、男性にはその傾向が強くあります。
しかし、時代は確実に変わりつつあります。
「心の時代」「女性の時代」──価値観の変化に対応する鍼灸へ
現代は、かつてのような“根性論”や“数字重視”の価値観から、共感や調和を大切にする時代へと移行しています。
組織も家庭も、「力で引っ張る」時代から、「心で支える」時代へ。
経営スタイル、教育スタイル、人間関係すべてが変わってきています。
しかし、こうした変化に気づかない人は、戸惑いや不安を感じやすく、それが怒りや否定的な態度として現れることがあります。
「見えないから信じない」という反応は、よくあることなのです。
医療者であっても、心を学ぶことは少ない現実
驚かれるかもしれませんが、心理学・カウンセリングを専門的に学んだ鍼灸師や医師は、実は少ないのが現状です。
ある精神科医の方は、心理カウンセリングの講座に通いながらこう語っていました。
「私は精神科医ですが、医学部ではカウンセリングは習いませんでした」
たとえ精神科医であっても、心を“理論”ではなく“人間として”扱う技術は別途で学ぶ必要があるということです。
鍼灸×心理カウンセリングで変わる治療効果
当院では、鍼灸と心理カウンセリングを組み合わせた施術を行っています。
その効果は特に以下のようなケースで大きく表れています。
- パニック障害・不安障害の症状緩和
- うつ病による身体症状(だるさ、頭痛、食欲不振など)への対応
- 末期がん患者さんの緩和ケア(痛みの軽減だけでなく、気持ちの安定)
- 慢性的な痛みを抱えるリウマチ・パーキンソン病の方への心身両面からのアプローチ
「話を聞いてもらえるだけで心が軽くなった」という声も多く、体の施術と心のサポートをセットで行うことで、より深い回復が期待できます。
「心と体の両面から整える鍼灸」のススメ
うつ病やパニック障害、慢性痛でお悩みの方にこそ、心の状態に目を向けた鍼灸治療を体験していただきたいと思います。
- 病院に通っているけど、なかなか良くならない
- 薬だけに頼りたくない
- もっと本質的に体質を変えたい
そんな方に向けて、当院では体の痛みだけでなく、心のつらさにも寄り添う鍼灸を提供しています。
おわりに──あなたの「生きやすさ」のために
鍼灸という技術は、「ツボに鍼を刺すこと」だけではありません。
心の状態が整えば、体も自然に回復する力を取り戻します。
医療という枠を越えて、本当に人の人生に寄り添える鍼灸師でありたい。
その思いから、私は今も心理学を学び続けています。
「心と体、両方つらい」と感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。
あなたが少しでも生きやすくなるための選択肢のひとつとして、当院を知っていただければ幸いです。