■ パニック症候群は針で治せ 思い出深いパニック障害の患者さん
僕は約10年間、病院で針灸治療をしていました。
病院ということで、色々な病気の方を診ることができました。
治療の勉強になることが多かった職場でした。
午後の診察時間、担当していた患者さんで多かったのは、
メンタル系のバランスを崩された方たち。
パニック症候群と自律神経失調症、うつ症状。
特にパニック症候群の患者さんの1人は思い出で深い。
この患者さん、「自分のことを先生のホームページで書いてください。」
と言っておられたので、
パニック症候群で悩んでいる方の参考になればと思い
ブログで書かせてもらいます。
この方は僕が担当になった時は、30代半ば。
名前は小林さん(仮名)男性
某有名企業の社員の小林さんは、身体の不調があるので、
様々な病院に行き検査をするが異状なし。
しかし、動悸や息切れ、体の疲れが取れないといった症状は、
だんだん強くなっていきました。
当時、小林さんは毎日終電ギリギリまで残業をしていました。
体の不調はあったのですが、無理をして働いていたそうです。
ある時、夜中に急に体の異常が出ました。
「呼吸ができなく、胸が締め付けられる!」
家族の方が119番して救急車を呼びます。
私が担当していたパニック症候群の方のほとんどが、
救急車を呼んだことがあると話されていました。
呼吸ができなくパニック状態。
救急車で運ばれて、病院に着くころには徐々に症状は落ち着くそうです。
病院に到着して医師の診察をし、検査をするが、
「異状なし」
異常がないのになぜ、おかしな症状になるのか?
ますます不安になると話されていました。
また、あちこちの病院に行き検査するが異状なし。
そんな時、私の勤務していた病院に来られて、
医師から東洋医学の治療をすすめられました。
最初の頃は、針灸治療をせずに
症状を聞きカウンセリング的なことが中心の治療。
パニック症候群は、不定愁訴が出るのが特徴です。
多い症状で胸が締まる、脇が痛い、後頭部痛、目がチカチカする。
この症状が出ると不安感が増大します。
「倒れるのでは!?」
「死ぬのでは!?」
僕の治療では話を聞きながら1っずつ不快な症状を取っていきます。
1つ症状を取れば、安心します。
また不快な症状がでたら、それも取る。
これを続けていきます。
パニック症候群は結局、無理し過ぎた生活のよって、
交感神経が優位な状態がおこっている状態です。
これを針灸治療で副交感神経優位にるれば
自律神経のバランスが整い症状が改善します。
治療を続けていくと小林さんに変化が出てきました!
それまで、会社に行くが後頭部の頭痛や動悸で会社を早退していましたが、
早退の回数も減り会社を休むことも減ってきました。
針灸治療であちこちに出る、頭痛や脇の痛み、
違和感(なぜかパニックの方は左脇が痛くなることが多い)が
改善して気分的にも楽だと言っていました。
しかし電車やバスは、まだ駄目でした。
パニック症候群が会社勤めの方になったらた一番大変なことは、
乗り物が乗れないことです。
電車に乗れない・・・
電車に乗るとパニック状態になり、
気分が悪くなり吐いてしまう方もいます。
また、普通電車には乗れるが急行には乗れない
駅と駅の間隔が長いと不安感が増すので急行に乗れないと話されていました。
しかしこれも見事克服しました。
今では会社の昇進試験にもチャレンジして仕事を頑張っています。