以前、月一回の座禅会に参加していました。
2年ほど続けたと思います。
特に信仰している宗派はないのですが、
禅思想が好きなので毎月結構楽しみにしていました。
座禅をしている最中は空(くう)の状態になりなさいと言われます。
では、空とはどのような状態のことなのでしょうか?
日本を代表する生命科学者の柳澤桂子さんは言います。
「もし あなたが 目もみえず 耳も聞こえず 味わうこともできず触覚もなかったら あなたは 自分の存在を どのように感じるでしょうか これが 空 の感覚です。」
私は、ついつい座禅の最中に外で音がしたら、「うるさいな。」とか、車の音とか気になりだしたり、人の話し声、足の痛みが気になり、気をそらそうと思えば思うほど、気になりました。
「空」とは程遠い状態です。
これらの音が気にならなくなる時がくるのか? 当時はよく思ったものです。
六祖慧能(ろくそえのう)という達磨大師から六代目の方の、こんな話が伝わっています。
ある寺の軒につるされた鈴鐸が風でガラン、ガランと鳴っていました。それを聞いて二人の僧が議論をはじめます。 一人は、「あれは、鈴鐸が鳴っているんだ」といい、もう一人は、「いや、あれは風が鳴っているんだ」といいます。 その場に出くわした六祖はいいます。
「風がなるんじゃないよ、鈴鐸が鳴るんでもないんだよ。あれは、君たちの心が鳴っているんだよ。」
自分の外側で鳴っている音は、実は自分の内側で鳴っている音なのではないのでしょうか?
「あいつは嫌いだ」「お前のせいだ」「仕事が遅い奴だ」「あの上司は話を分かっていない」
心理学で、自分以外の人、「あいつ」「あなた」は自分自身の投影だと言います。
つまり、他人の嫌な部分は、実は自分の嫌な部分のことです。
自分の心が鳴っているのです。
その音は、身体にも現れます。肩こり、腰痛、頭痛。
特に腰痛は、メンタル面の要素も大きく関係するということが、
最近の研究で分かってきました。
肩こりや腰痛がでてきたら、まずは自分自身の心の状態も見ることが必要です。