約10年間の病院勤務時代に疑問に思った治療が点滴。
特に午前中の診療はお年寄りが多いというのもあり、
点滴を希望する人が非常に多い。
「今日は何だかしんどいから点滴お願いします」
「とりあえず点滴」
こんな国、日本だけです。
朝ご飯も食べているし、水も飲めているのに点滴をする。
病院側も経営というのがあるので、点滴をすれば売り上げが上がるわけなので、
患者さんが希望すれば点滴をします。
医者も意味が無いのは知っているのに。
点滴の中身は、薄い食塩水になります。
その中にナトリウムイオン、カリウムイオンなどの電解質とブドウ糖を混ぜたもの。
500mlの点滴で100カロリーほど。
点滴をすれば元気になると思う方も多いですが、錯覚です。
無効です。また有害になる危険性もあります。
点滴の実態は、血管の中に水を入れること同じです。
お年寄りは、ただでさえ貧血気味の人が多いのに、薄い血をさらに薄めることになります。
お年寄りは心臓の動きが弱っている人も多いので、血管に水を入れると、
ポンプの負荷が増えて、心不全の症状を悪化します。
また、腎臓が弱っている人は、入れた水を排泄することができず、
血管の外に洩れて、足や顔がむくみ、腎臓の負担の増えます。
(「医療幻想」思い込みが患者を殺す 久坂部 羊 ちくま新書 から抜粋)
点滴は下痢や嘔吐、脱水症や風邪による発熱で水分が必要な時には効果があります。
私自身、風邪による下痢が2日間続いた時は点滴をすると、一気に元気になりました。
しかし、別に脱水症状がない人が、特に老人がやれば逆に身体を悪くしてしまいます。
元気な人はやる必要はありません。