江戸時代の家庭の医学『病家須知』にも書かれているストレスと病気の関係

10年前に買った本ですが、時々パラパラ読んでいます。

確か、初版は限定3000部の販売でしたが、すぐに売れ切れたそうです。

この本は「病家須知(びょうかすち)」という江戸時代後期に書かれたものです。書いた人は、医師、平野元良。

漢文なので、原文ででは読めませんが、この翻訳版は、原文と翻訳と注訳が書かれているため、誰でも読める構成になっています。

この本を分かりやすくいえば、江戸時代後期の家庭の医学というところでしょうか。

そのため、内容も専門家というよりも一般の庶民に向けてのものなので、内容も分かりやすく読んでいておもしろい。

今から150年以上前に書かれたものですが、今でも十分通用することが書かれています。

以下、本からの抜粋

そもそも心を動揺させる原因は、貪欲の思いが持続し、物を求めて苦しみ、苦労して得れば失わないかとおそれ、失えば腹を立てる。

すべて物に心を苦しめた結果である。

年月を経て、年をとるに従い、先がわからなくなり、不安が大きくなれば、しだいに食べものの消化をさまたげ、気血の流れもわるくなる。

そのため、自分の全身をつかさどる元気が損なわれ、体内の抵抗力が弱まり、外邪の侵入を防ぐ力が弱くなって、外邪が入りやすくなる。

そればかりか屈託、腹立ち、片意地、やりっ放しなどが改められず習慣になれば、これが自分の本性であると思い込み、ますますほしいままにするから、病根は深く、どんな治療も効果がなくなってしまう。

自分は、今世にいう癇症や癥瘕、すべての不治の病で、その原因を明らかにできないものも、この心がととのわないために薬の効果がないことを知っている。

以上、抜粋終了

なるほど、ようするに、悩み、恐れれば、いつか、不安も大きくなって、胃腸の消化吸収も悪くなって、栄養が上手くとれなくなり病気をしやすくなるということですね。

こういうことを改めなければ、病が深くなり薬も効かなくなると書かれています。

東洋医学では、怒、喜、思、悲、恐、の五種の感情の変動を「五志」といって、五臓の機能活動と密接に関係していると考えます。

五臓というのは、肝、心、脾、肺、腎のことです。

よくならないのは、五志が弱っているからです。つまり、怒ったり、悲しんだり、悩んだりしていると、いくらいい薬を飲んでもよくならないということです。

確かに、薬を飲んでもよくならない人の中には、メンタル、パーソナルな部分が影響しているのではないかと思う方もおられます。

別に無理にポジティブにしなくてもいいと思いますが、心に目を向け、心の状態を知ることが重要ではないでしょうか?

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